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Cam-lokとは?
音響や照明、舞台や映像などの裏方に関わった人なら一度は目にした事があるだろうCam-Lok(cam lock)。
その中でも16シリーズ(E1016として知られております)は大電流の数百アンペアという電力の接続を、端子台などの接続無しにワンタッチで行えるという優れもの。
仮設といえど、半固定電源ではSV、CVやCVT、中にはWL1(MLFC)なども使われていますが、これらは非常に硬く、素線数本や数十本程度で構成された撚線です。
通路に引き回す仮設電線は、柔らかくしなやかに、ケーブルの癖で床面から浮くようなことはあってはなりません。
今まで見かけた奴一覧!
自分が今まで関わってきた現場で、主に使われていたものは
- 2PNCT(2種EPゴム絶縁クロロプレンゴムシースキャブタイヤケーブル)
- 2CT(2種天然ゴム絶縁天然ゴムキャブタイヤケーブル)
- WCT(天然ゴムシースケーブル、アーク溶接機二次側用)
- WRCT(天然ゴム絶縁天然ゴムシースケーブル、アーク溶接機ホルダー用)
各電線メーカー毎に、呼び名が異なります。また結構派生バリエーションもあります。例えば富士電線ではWCTのシースを架橋ポリエチレンに変えたものとしてFロンがあります。
参考情報:許容電流の目安
- 35/38sq=200A
- 60/70sq=300A
- 80/100sq=400A
尚安全率を知る為にはしっかりデータシートを確認。放熱性が良いケーブルであれば、軽量化が可能です。
で、どれが良いの?
話を戻して、どのケーブルを選定すべきかと言われれば、お勧めは2PNCT。予算に余裕があるならこれから紹介する2つもお勧めします。
2PNCTなら三ツ星!
私は三ツ星と富士電線の2PNCTを使った事がありますが、圧倒的に三ツ星が柔らかいです。それでも硬いと言えば硬いかも。実用十分ではあります。
三ツ星 2PNCT 1C×38sq 20mで25-30千円。
なお38sq,60sq,100sq共にケーブルの素線は0.45mm/本です。
その1.テクニカルサプライジャパン製「2PNCT-STG」
素線を0.18mm/本にした、2PNCT。このTSJさんという会社さんが、舞台照明の代理店で、つまるところ現場の声が反映された製品、という事になります。
確かに柔らかいです。映像屋さんに伝えるならばTCX-5CFWSの柔らかさ。ただしミスミやモノタロウ、一般的な電線屋に取り扱いはない様です。
※TCX-5CFWS>L-5CFW(UHD表記)>>>>L-5CFW(HD表記,旧被覆)
その2.三ツ星製「E-WRCT」
上であげたWCTの柔らかタイプWRCT、それの被覆を耐燃性架橋ポリエチレンにしたタイプがE-WRCT。耐熱性がある為、ワンサイズダウンできるのがウリ(だそう)。
38sqの場合は232Aと、他と比べた場合かなり余裕があります。
これの素線はなんと0.16mm。38sqで1892本の線が入ってます。38sqまでしか扱ったことがありませんが、恐ろしいくらいに曲がります。茹でたうどんみたいな柔らかさです。こんなに曲げてもクセがつきません。
これのメリットは2PNCT並の入手性(と軽さと柔らかさ)です。
三ツ星 E-WRCT 1C×38sq 20mで30-35千円。
車でインバーター乗せる方なんかにも是非お勧めしたい一品です。15年以上使われた車でもひび割れがありません。
そんなこんなで仮設電源のお話、おわり。