こんばんは。アイマス10thライブからまもなく1年。
やっとこさBlu-rayが出るということで視聴動画がいくつか上がってきました。
というわけでキャプチャを貼りながら今回はマイクの運用について考察してみたいと思います。
注:あくまでも素人による記事であることをご理解下さいませ
イベント自体のレポートはこちらに書いてあるので宜しければどうぞ。
未来と交わした約束を胸に。- アイマス10th ライブレポート Day2
※2016/06/13:BD発売を受けて、訂正、加筆。
※2016/06/30:はてなやTwitter等コメントを受けて一部訂正&追記。
・第一弾
・第二弾
https://www.youtube.com/watch?v=0Ur2YWkHWME
さて、記憶を辿って、両日参加して機材について思っていたことといえば、SENNHEISERとSHUREのマイクどちらも使っているなぁ、
そしてイエローステージとブルーステージの隣には超目立つような配置でオーディオテクニカのパネルアンテナが置いてあったなぁ、くらいでした。
今になって映像を見ていると、それぞれの演者さんが使用しているマイクはそれぞれシールが貼られている他、カラーキャップであったりとかなり区分けされていることに気が付きました。
それぞれ楽曲で使用していたマイクの色分けは以下のようになっています。
例として二日目の楽曲をリストアップしてみました。
お願いシンデレラ レッドステージ
SHURE シンデレラ:ピンク
ThankYou センターステージ
SHURE ミリ:オレンジ
星屑のシンフォニア スタンドホーム→1塁
SENNHEISER ピンク
Orange Sapphire スタンド3塁→ホーム
SENNHEISER 青
素敵なキセキ レッドステージ
SHURE ミリ:オレンジ シンデレラ:ピンク
トキメキの音符になって スタンド1塁
SENNHEISER AS(1塁):赤 シンデレラ(3塁):青 ミリ(3塁):青
あんずのうた センターステージ
SHURE ミリ:オレンジ シンデレラ:ピンク
SENNHEISER AS:白キャップ
カーテンコール 全ステージ
SHURE ミリ/シンデレラ
SENNHEISER AS(1塁、3塁)
以上のことから、一人一本のマイク運用に加えて、位置ごとの運用もあったと推測できます。
詳しく書いていくと、
アリーナステージに於いては
・765ASがSENNHEISERの純正カラーキャップ付き、SKM 5200-II BK-N-JP。 *10
・ミリオンがSHUREのUR2/BETA58A-A24にオレンジ色シール *12
・シンデレラがSHUREのUR2/BETA58A-A24にピンク色シール *12
スタンドのトロッコに於いては
・1塁側を移動するときはSENNHEISERのSKM 5200-II BK-N-JPに赤色シール *6
・3塁側を移動するときはSENNHEISERのSKM 5200-II BK-N-JPに青色シール *6
でした。
さらに、バネPと武内Pがアリーナステージに登場された際にもSKM5200を持っていました。
※カラーシールやマークなどは無いように見えた。
※ディレ1さんや、一日目の上記二名が登場の際はワイヤード接続でした。
この運用から計算すると、
アリーナにおいて36本、スタンドにおいて12本、計48本が使用されていたことは間違いありません。
ここでラジオマイクの周波数帯のお話。
日本で現在大型ライブなどでよく使われている周波数帯は
A/AX帯(779Mhz-806Mhzあたり)と、WS帯(UHF:地上デジタル放送の空きチャンネル/ホワイトスペース)です。
担当会社さんの所持している機材がどの周波数かはわかりませんが、
48ch(イヤモニ含め60ch)をA/AX帯で賄うことは流石に出来ないので、A/AX帯とWS帯が併用されていたことは間違いないでしょう。
アナログマイクの場合、3次の相互変調波が妨害波となり、悪影響を及ぼす為に、干渉しない組み合わせを考える必要があります。
それらの中には、各社が開発しているフィルターシステムにより、取り除くことができる波も存在します。
よって
A/AX帯に関しては、ATW-F800などにより24波+α(最大28)
WS帯にはSKM 5200-II BK-N-JPが24波+α
が存在していたと推測できます。
そしてさらにイヤモニ回線はWS帯に属します。
SHUREのPSM1000シリーズ、回線数は、送信機の台数から見て、12ch。
受信機のアンテナカラーを見るに、多くの方がP10R-J8Jを使用されていたと思われます。
※バネP、武内Pのみ黒色アンテナ
メモ:(各オプションパーツページの範囲、PSM1000の説明書に準ずる範囲の順)
470-530 MHz , 470–542 MHz UA700 黄 G10J付属
518-578 MHz , 540–626 MHz UA710 白(グレー) J8J
578-698 MHz , 596–692 MHz UA720 黒 L8J
740-865 MHz , 670–830 MHz UA730 青 L11J/A24
944-952 MHz , 830–952 MHz UA740 赤 国内使用不可
P10R-G10 470~542 MHz
P10R-J8 554~626 MHz
P10R-L8 626~698 MHz
さらに、西武ドームで使用可能なWS帯のchは以下の通り。(2015/7/20現在)
34ch 596-602MHz
38ch 620-626MHz
40ch 632-638MHz
45/46ch 662-674MHz
48-52ch 680-710MHz
53ch 710-714MHz(専用帯)
チャンネルの端1MHzはガードバンドのため、使用できません。
というわけで、
イヤモニは34chと38chのそれぞれ4MHz幅に6波ずつ入るので、合計12波。(規格上の最大値)
バネPと武内Pのモニターはアンテナ帯域的に38chのグループだったと思われます。
※もしかするとL8Jの回線もあったかもしれません。
以上のことから、マイクはSKM 5200-II BK-N-JPで確定となり、
その使用可能帯域は606-714 MHz。
使用可能chは40/45-46/48-52/53と、かなりゆったりとした感じです。
※後日計算してみたところ、最大40波程度のようです。34/38のイヤモニを加味すると35波。
外部要因によって削られる可能性も。(ex:LED照明)
↑ガードバンドの設定忘れていました。
纏めると、
・イヤーモニター 12波
・ワイヤレスマイク 24+24波
計60波存在していた、ということになります。
デジタルならWSだけで収めることも可能かもしれませんが、
・現状持っているPAさんが少ない?
・許容限界に近い遅延が存在する(技術革新によって近いうちに解決する?)
→イヤーモニター~卓(2-3ms)~マイクとそれぞれで遅延が発生する、5ms未満が理想とか。
※自分の声が遅れてくるのではイヤーモニターの意味が半減してしまう。
といってももう殆ど影響ないようなのであとは機材の入れ替えとかそういう都合も。
参考:演奏時における音声モニターの遅延時間の検知限とその影響について,
日本音楽知覚認知学会春季研究発表会,(2012)
P.S.例えばさいたまスーパーアリーナであれば、34-53chが全て使用できるので使用本数は増える。
会場ごとに同時運用可能数は異なりますし、特にドームは屋外であるため、使用できるチャンネルが少なかったり…?
詳しくは総務省の電波利用ホームページを見ていただくとよいかもしれません。
(20170314追記:ミリオン4thでは37人が同じ舞台に立ちましたね。武道館も13-14、34-53chが使用可能です。実際IEMは12chありました。Day1の時点でRMは20本程の運用、別日で同じ周波数を別の方が使っていました。理論上IEMが12chの場合ベストな環境でも44-45ch程が限界のようです↓50人全員ならデジタル必須でしょうかね。音屋さんはマイクを理由に無理とは言わないと思います。)
ちなみにイヤーモニターはF8E(FMステレオ)のため、マイクの倍近くの帯域を専有します。
参考:
UR2/BETA58A-A24 :110kHz
SKM 5200-II BK-N-JP :160kHz
P10T-J8J :250kHz
考えてみれば、この運用ができるようになったのも、2012年に電波の再編があったからであり、
※平成24年総務省告示第172号による周波数割当計画改正
”10年たったからこそ作ることのできたステージ”
という言い方をしても良いかもしれません。
無論、それは後からついてくる話、ですが。
安定到達距離は150mという製品を、あの巨大な箱で使うのですから、そういう対策が必要だったのでしょう。
大きな箱でライブをした事実、ということの素晴らしさを身にしみて感じました。
※仮に出来なかったとしても、プロフェッショナルな皆さんは努力と工夫でどうにかしていたでしょう・・・
○おまけ:アンテナ編
ステージ脇に建てられていたハエタタキことパネルアンテナ。
映像を詳しく見ていると、アンテナは合計11本見つかりました。
具体的に書くと、
メインステージ脇
・SENNHEISER 指向性アンテナ AD 3700 JP(レッドステージ方向)
・SHURE UA874 アクティブ指向性アンテナ(レッドステージ方向)
・SENNHEISER 指向性アンテナ AD 3700 JP(イエローステージ方向)
・SHURE UA874 アクティブ指向性アンテナ(イエローステージ方向)
・SENNHEISER 円偏波広帯域アンテナ A 5000-CP(レッドステージ方向)
イエローステージ脇
・SENNHEISER A9000 A5-B4(無指向性、パネル面はスタンド方向)
・Audio Technica ATW-A85 指向性アンテナ(レッドステージ方向)
・SENNHEISER 円偏波広帯域アンテナ A 5000-CP
ブルーステージ脇
・SENNHEISER A9000 A5-B4(無指向性、パネル面はスタンド方向)
・Audio Technica ATW-A85 指向性アンテナ(レッドステージ方向)
・SENNHEISER 円偏波広帯域アンテナ A 5000-CP(レッドステージ方向)
ATW-A85がSHUREのUR2用なのは間違いないでしょう。
SENNHEISERの方がSHUREより飛びが良かったのでここにも置いたんでしょうか?
また無指向性のA9000は何故デジタル用?かは置いておき、スタンドトロッコ用のマイク・イヤモニ用かなぁと。
A5000*3と、AD 3700がSENNHEISERのマイク・イヤモニ用かと思われますが流石に振り分けはわかりませんね・・・(笑)
以上、西武ドームでのラジオマイク運用についての考察でした。
関係のない追記:コメンタリーの席順と担当
Day1
・今井 高橋 下田
・平田 中村 釘宮
Day2
・大橋 田所 雨宮 木戸 麻倉 山崎 山本 渡部 五十嵐 青木
・浅倉 福原 黒沢 高森 愛美 伊藤
・原由 洲崎 藤井 滝田
・沼倉 大空 佳村 原紗 松嵜 上田 夏川 Machico